第10回の集団認知行動療法研究会学術総会は、2019年11月10日(日)にNTT東日本関東病院にて、69名の参加を得て盛況に行われました。今年度は、「多疾患における集団認知行動療法」をテーマに据えました。臨床現場では、単一疾患の患者さんだけを集めてCBGTを行えることは少なく、さまざまな疾患層、かつ、併存疾患を抱える患者さんに対してCBGTを実践し、そのグループ運営に頭を悩ませることが多いと考えたからです。
特別講演では、うつや不安などさまざまな感情障害を抱えた方を同一プログラムで支援する「診断横断的な治療のための統一プロトコル(UP)」について、伊藤正哉先生(国立精神・医療研究センター認知行動療法センター)に、楽しい演習を交えながら、UPの基本的な考え方や実際のプログラムについてお話いただきました。
シンポジウムでは、強迫性障害、双極性障害、発達障害の集団認知行動療法を第一線で実践されている3名の先生に、グループの運営方法、集団と個人のアプローチの組み合わせの工夫などを具体的にご紹介いただきました。
ランチョンセミナーでは、佐渡充洋先生(慶応義塾大学医学部精神神経科学教室)に、「集団認知行動療法でのマインドフルネス」について分かりやすく解説いただきました。また、事例検討では、参加者同士のトラブルという身近な題材を牧野加寿美先生(かなめクリニック)にご提供いただき、フロアの先生方と検討することができました。その他、一般演題では、認知症の介護者向けCBGTなど、新しい試みのご発表もありました。
いろいろな疾患に対するCBGTに触れることで、介入のレパートリーを拡げるヒントを得ると同時に、「方法ありきではなく、目の前の患者さんに応じる」という基本に立ち戻ることもできたように思います。
開催にあたりご協力いただきました演者の先生方、プログラム委員長の後藤剛先生(山形さくら町病院)やプログラム委員の先生方、事務局の皆さまに心より御礼申し上げます。
第10回学術総会
大会長 田島 美幸
抄録集配布のお知らせ
今大会の抄録集をご希望の会員様に配布しております。
返信用封筒(角2サイズ)に210円切手を貼付の上、下記事務局まで郵送してください。
会員様各自1部までとさせていただきます。
数に限りがございますのでお早めにお申し込みください。
【日時】 | 2019年11月10日(日) 9:30~16:20 |
【会場】 | NTT東日本関東病院 カンファレンスルーム |
【参加費】 | 4,000円(会員限定) |
【大会長】 | 田島美幸(トヨタ自動車株式会社) |
【プログラム委員長】 | 後藤 剛(山形さくら町病院) |
【大会テーマ】 | 「多疾患における集団認知行動療法」 |
【プログラム】 | 後日掲載いたします |
【後援】 | 公益社団法人 日本精神神経学会 公益社団法人 日本精神保健福祉士協会 一般社団法人 日本臨床心理士会 一般社団法人 日本作業療法士協会 |
プログラム
9:40 ~11:10 |
特別講演 「感情障害に対する診断を越えた治療のための統一プロトコル」 伊藤 正哉 先生(国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター) |
11:25 ~12:25 |
ワークショップ(事例検討会) / 一般演題 |
12:40 ~13:40 |
ランチョンセミナー 「集団認知行動療法でのマインドフルネス」 佐渡 充洋 先生(慶應義塾大学医学部精神神経科学教室) |
14:10 ~16:15 |
シンポジウム 「うつ・不安症状を呈する様々な疾患への対応の実際 ~双極性障害・強迫性障害・ADHD(仮題)」 |
<日本精神神経学会 専門医単位>
総会は日本精神神経学会の専門医単位申請の対象(C群1単位)となっています。
<日本臨床心理士資格認定協会 ポイント>
「臨床心理士教育・研修規定別項」第2条第4項に該当するポイント(短期型・ワークショップ)付与申請予定です。